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企業支援事例

自動車用部品製造業のY社は、慢性的な赤字で苦しんでいました。Y社長は「このままでは、会社が倒産してしまう」と言う危機感から、 メインバンクの支店長に相談し、支店長は、他の企業で業績改善の実績があるAZ サポートをY社長に紹介しました。
AZサポートは、Y社長と簡単な打ち合わせをしてから経営診断をしました。診断の結果、会社全体としての 売上目標は有りましたが、各部、各課への目標のブレークダウンはされていませんでした。売上目標もY 社長 が年頭のあいさつの中で、口頭で話をしただけで、文書化したものは配布していなかったので「忘れてしまっている社員もいるだろう」とのことでした。

こうした現状から、経営計画を作成し、社員に目標を与えて、目標達成活動を推進する過程で、管理者の 問題解決能力を強化するとともに、社員の原価意識を向上することで、粗利益率を改善する方針を固めました。早速、業績に関する情報を 「見ればわかる」ように工夫して公開することで、全社員を巻き込んだ業績改善活動を展開しました。
具体的には、業績の推移をグラフ化するなど、危機感の共有化を図ることから始めました。Y社長は、現状をありのまま情報公開すると社員が 動揺して退職者も出るのではないかと心配しましたが「もし、退職者が出たら、リストラをする必要が無くなるから、それはそれで好都合で はないか」とY 社長に情報公開の「決断」を促しました。

Y社長は全員朝礼において、最近の業績を公開するとともに、「この状況を打開するためにプロジェクトチームを結成する」こと、「メン バーは、各部の部・課長と一般社員の中から希望者を募って参加してもらう」ことを説明し、業績改善活動をスタートさせました。社 長、部長3名、課長4名、一般社員から2 名参加して、AZサポートの吉田と総勢11名でプロジェクトチームをスタートさせました。
プロジェクトチームの名前は、メンバーが前向きに楽しく取り組めるように「Y社元気モリモリプロジェクト」としました。「Y社元気モリ モリプロジェクト」は、早速、今回のプロジェクトの目的、会社のおかれた状況、理想と現実のギャップ、5年後の有 りたい姿(ビジョン)について、突っ込んだ話し合いをしました。
更に、当社の経営理念や行動基準が不明確になっていましたので、環境変化に対応して変えていかなければならない所と、逆に 環境変化に関係なく守っていかなければならない所を話し合って、経営理念の再構築と共有化を図りました。プロジェクト内の議論の 内容や決定事項は、会議の場で議事録を作成し、プロジェクト内の進捗管理に活用すると同時に、社外の人間には見られず、多くの社員が 見ることができるように、食堂に掲示しました。プロジェクトの議事録は、タイムリーで結論が分かりやすかったので、多くの社員 が績改善活動に関心を持つようになり、全員参加のムード作りに貢献しました。

経営戦略面では、当社の場合受注している製品や技術面での差別化は難しいため、そこで働く「社員=人」で差別化を図ることに しました。一人ひとりの社員が経営理念を意識しながら働くことによって、社員の質を向上させるのです。これを実現するために、会議の ルールとマナー(資料の事前配布や全員発言、決定事項の確認と実施フォローなど)を工夫し、皆が明るく元気に、大きな声でコミュ 二ケ-ションをすることを心がけました。その結果、営業、製造部門間の連携がよくなり、特急仕事や納期遅れの挽回残業など のムダが減って、粗利が20%を切っていたのが、徐々に25%に向上し、活動から1 年後には、30%を確保出来るようになりました。

当初、元気モリモリプロジェクトの活動範囲は「社内のムダの排除」でしたが、2 年目からは、製造部門のムダ取り効果で余った 工数で、他社の受注を取ることも出来るようになりました。親会社以外の受注が出来る様になったら、親会社の対応も変化し てきて、無理な特急品や極端な安値受注が減ってきたことも、粗利益の改善に寄与するようになってきました。これは、親会社との情 報交換が良くなったことも原因しているようです。
「Y 社元気モリモリプロジェクトの成果」は、業務レベルの改善にとどまらず、業務革新レベルからの取組をしたことで、プロジェクトの目 標を見失わず改善効果が出るまで「活動を続けた」ことと、全社を巻き込んだ活動とするために、危機的状況を、図やグラフ を使ったり、議事録など創意工夫して分かりやすく情報公開したことが最大の要因でした。

品質クレームをキッカケに顧客の品質監査を受けたB 社は、「工場内の5S がまったく出来ていないことが、品質不良の原因で はないか。直ぐに改善するように」との指導を受けました。この時、B 社長は「社内の管理レベルの低下」に大きな危機感を持ちました。工場 長が「社内で自力改善」を主張するなか、全社の管理のタガを締め直すために、あえてB 社長はAZ サポートに社内改革の相談をしました。
コンサルの目的は、「決められたことをキチンと守らせる、或いは自ら守る」と言う最低のルールが確実に実行される企業風土の再構築です。具 体的には、職場の整理整頓を徹底すること、品質保証をする仕組みが機能すること、製造現場のムダを無くすことです。モラルが低下して きた原因を探るために、経営者と主要な管理者からのヒヤリングを通じて簡易診断を実施しました。
診断の結果、品質不良は、製造プロセスの欠陥と言うより、社員の意識レベルの低下に起因していると感じました。そこで、 個別業務プロセスの改善の前に、経営理念とか行動規範など経営プロセスレベルの再教育から始めることにしました。
早速、「社内活性化プロジェクト」を発足させ、経営理念の再確認から始めました。会社とお得意様との関係、会社と社員の関係など社 内活性化チームのメンバー間で、お互いに納得するまで話し合いました。その中から「お客様に安心して使用いただける品質の製 品」を作るためには、どういう環境でモノづくりをする必要があるか、どういう意識レベルで品質管理をする必要があるかを 、社内活性化プロジェクトメンバー全員で共通の認識を共有しました。
その上で、不要な物を廃却し、必要なものを直ぐ使える状態で維持するとともに、決められたところに、決められた物(材料、部品 、工具など)を、決められた個数だけ置くことを徹底して、常に正常な状態を維持するようにしました。そうすることで、異 常な状態が一目で解るようなりました。更に、正常な状態を維持するために、品名、場所(、受入、出荷、在庫(棚 番など)、状態(完成品、検査待ち、手直し行き)などの「識別(表示)」を行いました。その結果「崩れない5S」を実 現させることに成功しました。併せて、不要な物を買わない、丁寧に使う習慣を身につけたことで、在庫削 減や経費節減に大いに寄与する事が出来ました。
5S 活動の成果をグラフ化して、張り出すことで、業績改善に寄与することの意識が生まれ、間接効果として社員の原価意識の向 上にも役立てることが出来ました。最近では工場を一周するだけで、生産計画の進捗状況や、設備トラブル、在庫量等、 工場内の異常が直ぐ解るようになって、適切な対策を指示したり、対策の効果が確認でき津ように成 りました。B社長は、お客様が来社された場合など、積極的に「現場」を案内出来るようになり、お客様からは 「これなら安心して、発注出来ますね」という感想を頂戴することが出来るようになりました。

A社は、産業用機械の部品加工と組み立てをしている会社です。既存のお得意様から、取引継続の条件としてISO9001 の認証取得を 求められていたA 社のA 社長は、顧客ニーズへの対応と同時に社内改革にも寄与するISO 導入を検討していました。そこで 、AZサポートは「経営コンサル」の視点から「業績向上に貢献するISO」を提案しました。
ISO事務局担当部門では、「コンサルタントに、ISO のマニュアルを作ってもらって、最低限の工数で認証登録をしたい。できるだ けISOに時間を取られないようにしたい」と考えていた様でしたが、A社長は、キックオフ大会で、「顧客要求に応え るだけでなく、社内改革にも貢献するISOの構築」を宣言しました。
ISOの事務局はじめ、関係部門の管理者たちは「今でも忙しいのに、さらに仕事が増えるのではやって行けない」と反発 しましたが、その原因は先行してISO を導入した企業の失敗談を多く聞かされていて、ISOを誤解していることが原因していました。
AZサポートは、ISOのシステム構築に先だって簡易診断を実施しました。その結果、「業務のオンリーワン」が、いくつかの重要工 程で発生していました。ここで言う業務のオンリーワンとは、「この仕事はA さんしかできない」又は「Bさんは 、この仕事しか出来ない」と言うマイナスのオンリーワンです。最近導入したコンピュータ制御のマシニングセンター は、製造2課のベテランのH さんが、メーカーの講習会に参加して使い方をマスターした後、新人のC君や他のメン バーにも指導することになっていましたが、メーカーの講習が終了した後、直ぐに大量の注文があり、C君に指導する間 もなく、H さんが専属で残業や休日出勤をして、この注文に対応してきました。マシニングセンター導入からほぼ半年が 経って、受注も落ち着き、製造2課では、C君の教育訓練をHさんに指示しましたが、Hさんは何かと理由をつけて、 C君に教えようとしません。毎日の仕事では、大きな支障もないため、そのままズルズルと時間が経過してしまい、 今では、3500万円も投資したA社で一番高額なマシニングセンターの稼働率はHさんの機嫌次第で、会社が管理し ているとは言えない状態に成っていることが解りました。
また、組立課では、顧客のモデルチェンジに合わせて、度々工程変更が行われていましたが、一部の社員で、多能工化ができ ずモデルチェンジに伴う仕事量の変動に対応するための職場移動に対応出来ない社員がいて、仕事量の変 動に伴う要員の確保を困難にしているケースがありました。
どちらも業務の硬直化を招き、受注量の変動や生産品目の変更など環境変化に対応出来ないため、大きなムダを発生させていました。
そこで、通常のISO システムに加えて、「業務のオンリーワン」解決を社内改革の優先課題として、全社員のスキルマップ を作製しました。このスキルマップは、全社員が見ることが出来るように、食堂に掲示して、朝礼などで目標達成者を表 彰することにしました。個々の社員の希望や経験に基づいて複数のスキル取得目標を設定し教育訓練を実施した結果、業務が 平準化され、ムダな残業の減少など収益改善に寄与しました。
多能工化推進を目標管理に結び付けて大きな効果を得たことで、社員のモチベーションが向上し、更に利益計画に直結した目 標を設定し、目標管理活動を推進出来るようになりました。その事で、直接的には社員一人一人の利益貢献度が向上したこ とに加え、間接的には、管理者の問題解決能力向上にも大きく貢献しています。